豪雨による影響で「子ノ神の滝」の崖が崩落したため、2022年8月8日現在立入禁止となっています。 当面の間、現地での見学はできませんのでご注意ください。
子ノ神の滝は、城峯(じょうみね)山(1038m)を水源として流れる阿熊川にある滝で、秩父盆地にある滝としては規模も大きく、高さ・幅ともに約13mあります。滝頭はおよそ1600万年前(新生代新第三紀中新世)の古秩父湾の海底に堆積した比較的硬い凝灰質細粒砂岩(子ノ神層)が露出しています。滝の右岸と左岸下流には、東西方向の岩が砕かれた断層破砕帯が見られ、この断層が滝をつくったものと考えられます。また、この付近はチチブホタテなどの海棲貝類化石が多く採集されることが知られています。
遊歩道を通って阿熊川の川原に下りると、上流側に滝を望むことができます。 下流約40mにかけて峡谷を形成し、滝を含む周辺は四季を通じて美しい景観に彩られています。 子ノ神の滝は、平成12年(2000)に秩父市指定名勝(当時は吉田町指定)になっています。
滝の近くには、10月第2日曜日に椋(むく)神社の例大祭の付祭りとして開催される「龍勢祭(りゅうせいまつり)」で使用する打ち上げ櫓があります。 龍勢とは、27の流派が製作する手製のロケットで、約400年の歴史があると伝わっています。 この櫓にかけられた約20mの龍勢が点火されると、白煙を残しながら空高く打ち上がります。 平成30年(2018)には「秩父吉田の龍勢」として国重要無形民俗文化財の指定を受けました。