美の山公園は埼玉県立自然公園内に位置し、標高581.5mの「蓑山(みのやま)」山頂付近にある、広さ41haの公園です。蓑山は、秩父市と皆野町にまたがる秩父では珍しい単独峰で、展望台からは秩父盆地全体を見渡せ、ジオパーク秩父の各ジオサイトの位置関係を知ることができる絶好の場所ともいえます。
展望台から周りを見渡してみましょう。盆地を取り巻く山々は、約2億年~約1.5億年前にプレートに乗って運ばれてきた秩父帯の岩石からなります。 西方の両神山と二子山の間のひときわ低くなっているところは、山中白亜系(山中層群)の地層が広がる、長野県の佐久まで続く山中地溝帯と呼ばれる凹地帯です。
南側の秩父盆地を見てみると、荒川がつくった河成段丘の高低差がよくわかります。右に尾田蒔丘陵(高位段丘)、左に羊山丘陵(中位段丘)、その間に市街地(低位段丘)が広がります。一番古い尾田蒔丘陵の礫層は、約50万年前に荒川によって運ばれたものです。 礫層の上に、八ヶ岳や北アルプスから飛来した火山灰層である関東ローム層が積もっています。そして、ここ蓑山は、長瀞でも見られる三波川帯が露出した変成岩の山で、秩父盆地の東側を区切っています。