秩父ミューズパークがある尾田蒔丘陵は、約50万年前に形成された高位段丘で、厚さ数m ~30m以上の尾田蒔礫層と、それを覆う関東ローム層が分布しています。
尾田蒔とは、寺尾、田村、蒔田(まいた)の3地区の総称です。また、この丘陵は長い尾根が続いているため「長尾根」とも呼ばれています。頂部が平坦な丘陵になっているのは、かつて荒川の河床であったためです。
展望台からは秩父の市街地が一望でき、荒川の段丘地形をよく観察できます。正面に見える丘は中位段丘の羊山丘陵で、その手前にある市街地は、低位段丘群の上に広がっています。盆地を取り囲む山に目をやると、北東側の外秩父山地のなだらかな山肌と、芦ヶ久保(横瀬町)の谷を隔てて南側の険しい奥秩父の山並み、そして秩父のシンボルである武甲山を一望することができます。
現在は、東京から一番近い雲海スポットとして「秩父雲海」が人気です。荒川にかけられた「秩父公園橋」の主塔が雲海から突き出た幻想的な光景を見られるのが特徴で、かつての古秩父湾の海原を彷彿とさせる雲海が楽しめます。