皆野町の大淵交差点から荒川に向かって整備された階段を下りると、荒川左岸にある崖に至ります。下部の黒っぽい岩(黒色泥岩)は、秩父帯(約2億年~約1億5000万年前・中生代ジュラ紀)の頁岩(けつがん)で、その上に、古秩父湾が形成され始めたころの礫岩(約1700万年前・新生代新第三紀)や砂岩層が重なっています。
このように2つの地層の間に大きな時間的不連続が認められる関係を不整合といいます。ここは不整合面が明瞭で、地層の上下関係が広く立体的に観察できるので、学術的に貴重であるだけではなく、地質学の学習にも適しています。
古秩父湾堆積層は白い砂が特徴的で、その最下部には、大きな礫がゴロゴロと入っています。この礫岩層は大きな地殻変動により秩父帯の岩石が礫となって海底に堆積したもので、古秩父湾の誕生を示す基底(きてい)礫岩です。