コンテンツ本文へスキップ
プリローダーイメージ
スマートフォンサイトはこちら

ジオサイトを探す

藤六の海底地すべり跡
藤六の海底地すべり跡

取方とりかた大露頭だいろとうジオサイト 26

<ruby>取方<rp>(</rp><rt>とりかた</rt><rp>)</rp></ruby>の<ruby>大露頭<rp>(</rp><rt>だいろとう</rt><rp>)</rp></ruby>

基本はコレ!

約1600万年前、古秩父湾が深海だったころの海底扇状地に積もったくっきりとした縞模様の「タービダイト」という地層が観察できる。幅約800mにわたる大きな露頭で、国の天然記念物に指定されている。
海底で起こった地すべりにより地層が曲がった「スランプ褶曲(しゅうきょく)」や、古秩父湾の海底に積もった地層が傾斜し、その上に水平な河成段丘堆積物が重なる「傾斜不整合」が観察できる。
不整合部分
スランプ褶曲部分

 吉田川との合流点の南、赤平川の右岸に幅約800mに及ぶ巨大な露頭があり、吉田取方総合運動公園を取り囲んでいます。

 この取方の大露頭で見られるくっきりとした縞模様の地層は「タービダイト」といわれる、深海の海底扇状地の堆積物です。陸から流れ込んだ泥や砂は、海の波により大陸棚に広がりますが、深海には届きません。大地震などが起こると大陸棚から砂や泥が深海底に混濁流となって流れ込み、粒子が荒い砂は先に、細かい泥はゆっくり沈みます。これが繰り返されることできれいな縞模様になりました。

 地層はほぼ水平に堆積したものですが、地殻変動により南(右側:秩父盆地の中心)に約30度傾いています。また、地層が大きく曲がっているところも観察できます。これは、古秩父湾が深海であった約1600万年前、北側の山地が隆起して南側が沈んでいったとき、まだ固まっていない海底の地層が地震などによってゆるい斜面をすべり落ちた「海底地すべり」に巻き込まれたり、折り畳まれたりしたもので、「スランプ褶曲」といいます。

 解説看板のあたりの露頭の上部には、右側に傾いた地層の上に、水平な地層が乗った「傾斜不整合」が見られます。下の地層が約1600万年前の古秩父湾の時代にできてから、地殻変動により傾いて隆起し、赤平川などの川により上部が侵食され、その上に約2万年前の段丘堆積物が積もったことがわかります。

 なお、解説看板のあたりの地層は右側に約30度傾いて見えるのに、上流の崖では水平に見えます。これは、地層が曲がっているのではなく、崖の向きが違うからです。

ちょこっと豆知識 お坊さんの無念の地、トサン淵

 取方の大露頭の不整合の下にある川の深みを「トサン淵」といいます。 室町時代末期の戦国の世であった永禄3年(1560)、北条勢の侵入を武田勢へ報告しようとした土佐の坊(とさのぼう)という僧がいました。ホウキグサをムチの代わりに馬を走らせましたが、すでに敵に囲まれ逃げ切れず、崖から赤平川の淵へ身を投げたそうです。「 土佐の坊の淵」が転じて「トサン淵」と呼ばれるようになったといわれています。土佐の坊が持っていたホウキグサの種が芽を出してトサン淵に自生したとされ、「まかずのほうき」と呼ばれています。 このホウキグサを持ち帰ると土佐の坊の霊が災いをもたらすと伝わっています。

アクセス
バス・・・西武鉄道「西武秩父駅」または秩父鉄道「秩父駅」から西武観光バス「吉田元気村ゆき」の「吉田下橋」下車徒歩15分
ナビ入力住所・・・秩父市下吉田427(現地付近)
駐車場
あり(大型バス可)
リンク
埼玉県立自然の博物館WEBサイト内「取方の大露頭」
近くのサイト・拠点施設
27:藤六とうろくの海底地すべり跡おがの化石館28:ようばけ24:ノ神の滝25:白砂しらすな公園の白沙しらす砂岩層さがんそう
関連ジオストーリー
秩父の大地に眠る太古の海の物語

ストリートビュー

地図

G26_取方の大露頭

コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る
コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る